「脳がよろこぶ」「笑顔がうまれる」脳活性化プログラム シナプソロジー®オフィシャルBlog

2015年07月22日(水) 2:54

 

今回より、不定期で「藤本先生に質問!脳に関するミニレクチャー memopencil 」を掲載します!
脳について興味を持ったり、さらに知識を深めたりするのに役立ててみてください。世の中にはさまざまな情報が溢れていますので、専門家である昭和大学名誉教授(脳神経外科) 藤本先生に正しい知識を教えてもらいましょう!

 

 

【 第1回 】

サヴァン症候群の人は一度見ただけで、写真のような絵 art が描けると言われますが、もともと脳にはそのような能力が備わっているのでしょうか?

 

 

サヴァンとは「すぐれた知能の人」と言う意味で、驚異的な記憶力や芸術的才能など様々な分野で能力を発揮することで知られています。カレンダー計算能力では過去4万年前の日にちの曜日を答えたり、質問にもあるように、一瞬見ただけの複雑な景色を描いたり、ピアノを一度も習ったことが無いのに一度聞いた曲を再現して弾いたり、すさまじい速さで計算したり、教わらなくても瞬時に素因数分解が出来たりと、本当に驚かされます。しかしながら、理論的に何かを考えたり、抽象的な言葉の意味を理解したりするのは苦手なことが多いようです。

 

自閉症患者に多く、数%~10% がサヴァン症候群との報告もあります。病気や事故によって脳に損傷を負ってなる人もいます。左脳で著しい機能障害がある場合が多いようです。

 

極めて狭い範囲のことがらに異常に興味を持ち、同じことを際限なく繰り返す集中力などが関係していると思われ、「左脳の機能障害を右脳が補ったことによって生み出される能力」(精神科医トレツファート)ではないかとも推測されています。

 

普通の人がすぐ忘れ去る短期記憶も、長い時間保存される仕組みで記憶してしまうと考えられ、羅列された文字や数字を丸暗記するのが得意で、その際感情も思考も連想も挟まれず機械的に記憶し思い出しているようです。

 

サヴァン症候群の人の記憶システムは、普通、運動や色々な操作など、意識されずに行っている「手続き記憶」に関係している、脳深部の「大脳基底核」が深く関係している可能性があります。

 

 

昭和大学名誉教授(脳神経外科)

シナプソロジー顧問 

藤本 司

 

 

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