「脳がよろこぶ」「笑顔がうまれる」脳活性化プログラム シナプソロジー®オフィシャルBlog

2016年02月18日(木) 4:35

「藤本先生に質問!脳に関するミニレクチャーpencil」 

第6回もわかりやすく丁寧に質問にお答えいただきました happy01

【第6回】

「糖質オフ」の飲食品や、「糖質制限ダイエット」の書籍などを目にしますが、

「糖質制限」は本当に健康に良いのでしょうか?脳へは、どのような影響があるのでしょうか?


Q.炭水化物(糖質)制限が注目された背景は?

「糖質制限」、「糖質制限ダイエット」は「炭水化物ダイエット」、「ローカーボ(低炭水化物)ダイエット」とも呼ばれており、肥満対策として体重をコントロールする目的で炭水化物(糖質)摂取を制限するこの方法は大分人気があります。

身体を動かすことが少なくなり、食べ物が豊富になり肥満が増えてきたこと、脳卒中、糖尿病など生活習慣病とその予防に非常に関心がもたれてきていること等が大きく関係していると思われます。

 

Q.炭水化物(糖質)ダイエットとは?

糖質はエネルギー代謝系が脂質代謝系とリンクしているため、糖質を余分に摂取し過ぎた場合は脂肪として体内にどんどん蓄積されてしまいますので、これを防ぐために炭水化物を極力抑え、体脂肪の蓄積を失くそうとするのが「ローカーボダイエット」で、1970年代に米国のアトキンスによって提唱された「アトキンスダイエット」がその代表です。彼は肥満を起すのは炭水化物だと提唱し、ステーキ、卵、バターなどは制限せずに食べながら体重を減らすことが出来ると説き、1日糖質50g以下の制限を行うという極端な糖質制限でした。

 

Q.炭水化物(糖質)ダイエットのリスクは?

全エネルギー摂取量の50%以上は炭水化物でとるのが基本で、そうしないと、代謝障害等で様々な障害が生じてきます。炭水化物は細胞の活動に必要なエネルギーを供給しており、特に脳では唯一のエネルギー源が炭水化物が分解したブドウ糖であり、何もしていなくても脳のみで1日120gの糖質が必要だということからも極端な方法だということがわかります。この方法は大分流行しましたが便秘、頭痛、脱力感、筋けいれんなどの障害がで、死亡リスクが高くなることが報告されています。

糖質が不足してくると、肝臓のグリコーゲンが使われ、進むと肝機能障害が生じてきますし、蛋白質から作られたアミノ酸が糖に変えて(糖新生)使われてしまい、体の組織が壊されてきますので、種々の障害が出てくることになります。

 

Q.理想的な食事のとり方とは?

体脂肪の蓄積を減らすには筋肉を使うことが必須ですし、食事は、とりすぎる傾向がある炭水化物を控えめにし、脂肪も控えめにして、三大栄養素のバランスを取りながら(炭水化物が約60%, 蛋白質約15%、脂質約25%以下が理想とされている)、野菜、大豆製品、海藻、乳製品なども併せて、偏りのない食事を目指すべきです。

 

昭和大学名誉教授(脳神経外科) 
シナプソロジー顧問 
藤本 司

カテゴリ 5.コラム投稿者 ルネサンス管理者
投稿時刻 4:35個別ページ

カレンダー

2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30